--- イサ美‥‥飛んじゃぅ☆ ---



最近‥‥…

 巷で闊歩していたテングー党は、動きを潜めてしまい、それらしき行動はイサ美達の知る限りでは
全く見ることが出来ませんでした。

そればかりではありません。
トッシーのお父さんは、会社のリストラの波に呑まれて仕事を失い、昼間から酔いつぶれてばかりいる毎日です。
ソゥッシーの家も商売が上手く行かないようで、両親は喧嘩ばかりしているそうです。

そんな不安や家庭のイザコザが、イサ美達3人の仲をギクシャクした関係にしてしまいました。

「何とかしないと…‥」
イサ美は学校の帰り道、独りで歩きながら考えました。
『昔みたいに何かの目標に向かって…3人で力を合わせれば…』
しかし今は向かってゆく敵や、思い浮かぶ目標もありませんでした。

河原を歩きながら考えつつ…ふと視線を移した先に、マントにヘルメットといった風体の子供が目に写りました。
謎のカラクリ少年、キク丸です。

ふとした偶然によって、キク丸とテングー党とのつながりを知ったイサ美達でしたが、
当の本人は全く意識していないせいか、イサ美たちにキク丸は非協力的でした。

「何かテングー党の事が判るかもしれない…」
3人の新たな目標を見つける為に、イサ美はキク丸少年に声をかけました…‥・

しばらく後…‥
イサ美はキク丸のマンションの一室で、ぼ〜っと天井をながめていました。
『条件を呑むなら協力してやってもいいよ』
キク丸のその言葉につられて来てみましたが、キク丸は先程から自分の部屋にとじこもったままでした。

「ぁ〜あ‥…帰ろっかな〜」
流石に待ちくたびれて帰ろうとした時です。
奥の部屋からキク丸が出てきました。

「…ちょっと、人を待たせるにも程があるって知らない?
「イサ美の知りたいテングー党について調べていたのさ。そんな態度をとるなら帰ってもらっていいよ」
冷たく言い放つキク丸に、イサ美は思わず態度をあらためました。

「ごめんごめん、あんまり長かったから… で、何か判ったの?
「僕の言う条件を呑むって言ったよね、イサ美」
「うん…」
機械的に喋るキク丸は、小さなロボットのようでした。

「テングー党の情報より、僕の言う条件が先だよ」
「わかった…‥」
「じゃ‥…まず、そこに座ってよ」
示された先には、独りがけの立派なソファがありました。
閑散とした部屋に不釣り合いな椅子に、イサ美は深く腰をおろしました。

「で…‥条件って?」
「‥‥‥……」

キク丸は無言のまま、おもむろにリモコンを取り出すと、天井に向けてスイッチを押しました。

「きゃっ!……ナ…ナニぃ!?…‥これっ?」
天井や壁から湧き出た機械の腕が、イサ美の四肢をからめとり、自由を奪いました。
「僕の条件は‥『イサ美が僕のものになること』だ。 その為にテングー党の事は知っている事を全て話す」
「やっ! ‥…やあっ! は…‥放しなさいっ!」
掴まれた腕や足を暴れさせたイサ美でしたが、機械の腕はびくともしません。

「だめだよ。もうイサ美は僕のものだから‥…僕の好きにさせてもらう」
手元のリモコンを操作すると、ハサミのような先端を持つロボットアームが、イサ美のシャツを切り裂きました。

「やんっ!! ダメっ! は…‥放しなさい!!」
「あんまり暴れると怪我をするよ」
その言葉とうり、イサ美の動きには構わず、機械的に服を切り続ける機械の腕に恐怖を感じました。

「あ…‥忘れてた」

キク丸がボタンを押すと、小振りなロボットアームが、イサ美のぴっちりとしたスパッツの股間をつまみ上げました。

「あっ‥…や…‥やだぁ‥…」

イサ美は普段からスパッツを履いていますが…‥下着のラインが見えるのが嫌で下には何も履いていません。
機械の腕は伸びの有る生地を引きあげます。



「じょきん☆」
もう一つの、ハサミを持つアームがテントのようになったイサ美のスパッツを切り裂きました。





------ つづく------


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